大学の価値を決めるのは卒業生
大学のブランドは永久的に固定されたものではなく、時代によって大きく変化をしていきます。
戦前より絶大な力を持ってきた東大ですら、ここ近年では国際的な大学ランキングにおいて京大に抜かれてしまうなど時代の流れによる評価の変化にさらされています。
私立大学になると特に世情と大学のブランドが直結しやすく、その時に有名になった人が卒業生であったということだけでも翌年の受験者数が急増するといった現象が起こります。
大学選びの相談を受け付ける予備校の講師の中には「大学の価値は卒業生が決める」とハッキリ言っている人もいるくらいで、その学校を出た人がのちにどういった活躍をするかといったことはその大学の本質的な価値を決める項目とされています。
その理由は卒業生の活躍はその人がそれまで受けてきた教育内容だけでなく、出会った人や過ごした空間にも大きく関わってくるからです。
また一人有名な卒業生が輩出されることにより、そのことを誇りに思う後輩たちが続いて自分なりに活躍の場を広げていくという良い意味の連鎖にもつながってきます。
偏差値だけではわからない学校特有の雰囲気
地方などで多くの情報に接することができない学生にとっては、大学を比較するときの基準がどうしても偏差値に偏ってしまいがちです。
現在ではネットや進路情報誌を見れば、分布図としてどの分野ではどの学校の偏差値がより高いかといったことを一覧で確認することができるようにもなっています。
しかし例えばそうした分布図でほとんど同じくらいのランクとして位置づけられている大学であっても、そのどちらに入学するかによって大きく学園生活は違ってきます。
現在では文部科学省の方針により、各大学は学内の教育機関の情報を多く開示しなくてはならないことと定められています。
ですのでそれぞれの大学の公式ホームページを見れば、どういった学部学科があるかということだけでなく、校内にある施設や建物の様子、実際に教えている講師を知ることができるようになっています。
更に過去の卒業生や講師・教授の過去の著書なども簡単に検索ができるようになっているので、そうしたところを見てみると学校ごとの特徴も見えてきます。
有名人だけでなく全体の統計も大事
過去に有名になった卒業生を見ると例えばその大学は研究に強いのか、マスコミや宣伝関係に強いのか、または経済などの評論に強いのかといったことがわかります。
ただ気をつけたいのが突出した一人だけでなく、その背後にはたくさんの卒業生がそれぞれの進路を選んでいるということです。
入学前からそれぞれの大学の卒業生の進路の割合のデータを見ることもできるので、文学部や法学部のように一般企業に就職をすることになる学部でもどういった方面に多く人が進んでいるかということを見ていくことでその学校の校風をつかみやすくなります。