減少しつつあるものの依然として人気の女子大
大学を選ぶときのこだわりの一つとして挙げられることとして「共学or女子大」というものがあります。
ただ一般的な傾向として少子化の影響による生徒数の確保や、男女で教育の内容を変えるということが差別的扱いにあたるとして年々昔ながらの男子校・女子校が合併や統合をしながら数を減らしてきているということはあります。
ここ最近の事件としては、2014年に福岡県内に住む男性が公立大学法人福岡女子大学に入学をしたいとして願書を提出したにもかかわらず性別を理由に受理されなかったということで訴訟を起こしたということがありました。
これは福岡女子大は公立大学であるということに加え、福岡県内で栄養士の資格取得カリキュラムを備えている国公立大が同大のみであったことから、男性であるという理由のみで入学を拒否されるのはおかしいという主張がもとになっています。
実際にこうした訴訟にまで発展する事例は多くはありませんが、全国的に見ると本当は入学をしたいと思っている大学があったのに女子校・女子大であることで入学ができなかったという悩みを持つ男性も潜在的に多く存在をしているようです。
そういう意味で今後も女子大という学校形態がいつまで続くかということには若干の不安があるものの、それでも女子大だからこそあるメリットというものが存在していることも確かです。
なお小学校・中学校・高校までは男子校・女子校ともにいくつか存在していますが、大学では男子校は全くなく女子校のみとなっています。
日本の代表的な女子大学とその特徴
女子大学として現在存在している学校としては、国立では「お茶の水女子大学」と「奈良女子大学」のみとなっています。
公立大学を合わせても「群馬県立女子大学」と「福岡女子大学」の2校のみで、数としてはそれほど多いというわけではありません。
ただ私立大では現在でも都市部を中心に数多くの女子大が存在しており、「白百合女子大学」や「津田塾大学」「東京女子大学」「フェリス女学院大学」といったブランド力のある有名大学もあります。
女子大といっても設置されている学部学科や取得ができる資格などさまざまですが、世間的なイメージとしては「お嬢様大学」といったものを持たれることが多いようです。
中高でもそうなのですが、女子大の場合には共学の大学に比べて日常生活におけるマナー教育が徹底しているところが多く、一般的な生活をしてきた人たちから見るとそうした過剰にも思えるほどのマナーのよさが「お嬢様」としてのイメージを持つことになるのかもしれません。
ただいわゆるお嬢様学校の代表として知られているような一部の大学はともかく、大半の女子大ではそこまで徹底したマナー教育がされるわけではありません。
むしろ学内の多くの組織運営を女性のみで行っているということから、リーダーシップのある女性を自然に育成できるという利点があるといえます。
高校までの女子校と大学はココが違う
女性だけで組織運営をするということでは、中高での女子校でも同じことが起こるため大学だからこそという特徴のように感じられないかもしれません。
しかし中高ではどうしても卒業時の最終目標が「進学」であることから、授業などでもどちらかといえば受け身の姿勢となります。
これが大学になると自ら勉強をしたい分野を見極めたり、自分で取得する資格を考えて就職活動をしていくといったより具体的な行動力が必要になってきます。
そうした自分の人生を決めるような意思決定を男性という存在に左右されずに行うことができるということこそが女子大ならではの魅力というふうにも言えます。
これからは女性管理職を増加させたいという政府の指針もあり、リーダーシップがとれる女性のニーズは高まっていくことと思います。