大学院への進路は

大学だけでなくその先の進学も考える

日本は諸外国に比べて全体的に大学院への進学率が低く、専門的な研究を目指す人材が不足しているということが問題として指摘されています。ですがそうした国際的な意見を踏まえ、近年ではより専門的な学術方面のエキスパートを養成する大学院への進学も増えてきています。

特に医療系や建築系の仕事においては、実際に業務を行う人材とは別に研究者を常に育成していくことが求められています。工学系や物理系、化学系といったいわゆる理系分野一般でも、より高度な実験研究をしていくために大学院に進む人材が増えています。

しかしながら理系大学といってもその全てに大学院が設置されているわけではありませんので、そうした大学に入った場合には4年間通った大学組織とは全く違った学校となる大学院に編入試験を受けなくてはいけないことになります。

仮に自分の通った大学に大学院が存在しているという場合においても進学するには試験を受けなくてはいけませんが、全く異なる組織へ編入する場合には大学時代に行っていた研究をそのまま引き継ぐことができにくくなるので、長く専門分野に携わりたい人は長い目で見た進学先を選択していく方がよいでしょう。

大学院だけじゃない進学先

四年制大学卒業後に進学をするという場合には大学院が一般的な方法ですが、大学院だけが進学先というわけでもありません。

例えば在学中から海外の大学に留学をしたり、他の提携校で単位を取得することができたりします。また同じ大学院であっても博士前期課程卒である「修士卒」と、博士後期課程卒「ドクター」という分類があり、どこまで在学するかによってまた異なる学園生活になります。

学歴は高ければ高いほど就職に有利になるというわけではありませんので、自分が将来就きたい職業ではどこまでの知識が必要かということを考えてから進学先を決めていくことになります。大学院進学が有利になるのは主に理系学部となっており、理工系や工学系、通信・電気・情報系の学部であれば、大学院まで出たという学歴を生かした技術職を探しやすくなりますし、高い知識を持った人材として研究職の求人でも評価が高いでしょう。

《参考》研究開発のお仕事 | 理系・研究職の求人転職はChall-edge(チャレッジ)

大学院まである大学というのは全国でもそれほど多くはありませんので、もし専門分野で勉強をしたい人はどこまでの進学がどういったルートができるかということをよく調べておきましょう。

大学院は四年制大学の延長ではない

小中学校の義務教育から高等学校、大学へと進学を希望する人にしてみると、大学院はその延長となる学校のように思えたりします。

ですが高等学校と大学とでかなり授業内容が異なるように、大学と大学院でもかなりそこでの勉強内容は異なります。最近では大学を卒業してすぐの就職活動がうまくいかないことから時間稼ぎのための大学院進学を希望する人もいるようですが、それでは大学院本体の勉強をすることができません。

大学院での勉強では、数多くの論文をとにかく読み込みそこから自分独自の論文としてまとめていくという能力が必要になってきます。そのため従来までのような記憶主体な勉強法では大学院での勉強はかなりつらいものになるでしょう。

大切なのは大学院に進学したということではなく、そこでどのような実績を作るかということです。大学院進学あとにはどういった就職の道があるかについても事前によく調べておきましょう。