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取得できる資格で選ぶ

今どきの大学選びの基本

大学生の就職率が低迷している現在においては、以前のように大卒ということだけで安定的な就職をすることはできません。

そのためこれから大学に入ろうとする高校生の多くは、進学先として大学を選ぶときには大学卒という学歴だけでなく他に就職活動に直接役立つ技能の習得ができる場所を厳選する傾向が見られています。

中でも特に人気が集中しているのが大学卒業によって独占排他的な業務をすることができるようになる資格の取得ができる学部です。

ここ数年の第一志望の大学の専攻学部の特徴を示す言葉として「理高文低」というものがあります。

これは理系学部に人気が集まってきている一方で、文系の学部の志望者が軒並み前年割れをしているという状況を示します。

理系学部の中でも特に目立って増加傾向にあるには看護系や保健系の学部であり、中でも私立大学では前年比25%UPというような極端な伸びが見られるところもあります。

逆に前年比で志望者数が激減をしているのが法学部や経済学部で、国公立・私立ともに募集者数が減って定員割れをしてしまうところも出てきています。

ただし文系学部の中でも教員免許が取得できる教育学部や司書や学芸員の資格が取得できる文化系の学部の人気は高く維持されており、卒業時の免許取得が大学の人気を決める絶大な要因になっていることが伺えます。

不人気の法律系学部と大人気の医療系

法学部や経済学部の人気が低迷している理由として、卒業時に取得できる資格が特になく、逆に難易度の高い法律系資格を取得するなら大学よりも専門学校の方が有利であるということがあります。

また間接的な要因ですが司法試験制度が改正されたことで司法試験に合格をするためには卒業後に法科大学院に入学して長い教育課程を経なければならないなど資格のためのハードルが非常に高くなってしまったことも関係しています。

また仮に苦労をして司法試験に合格したとしても、その先に就職できる場所が確保できないことも多いということもよく知られているところです。

司法試験の他にも司法書士や行政書士のような難関資格も取得をする労力に見合うような収入が確保できるわけではないので、よほど自分なりの動機がないとそこまでの苦労はしにくいという現実があります。

逆に在学中の勉強は難しくても、就職時に強みを発揮できる可能性が強い学部である医療系は堅実な傾向のあるいまどきの高校生に絶大な支持を受けています。

ただ医学部クラスになると入学をするための試験が相当に難しく、また学費もかなり高くなってしまうので極端な増加はそれほどなく、代わりに比較的門戸が広い看護系や検査技師系の資格が取得できる学部に人気が集まっています。

なりたい職業から検索をする

しかしいくら希少な資格が取得できるとはいえ、卒業時に自動的にそなわる資格というのはそう多くなくほとんどの場合で新たに国家試験を受験しなくてはいけません。

実習が難しい医師免許や看護師免許の場合は国家試験の合格率はかなり高めのまま推移しているので、きちんと学校の課程を真面目に受けて勉強をしていけば不合格となる可能性は低くなります。

一方で資格こそ得られてもそこから将来の仕事に続けることができにくかったり、そもそも自分の適性にあっていなかったというようなミスマッチも進学後に起こる問題となっています。

大学進学の時には学費や資格のような条件に先に目が行ってしまいますが、まずは自分が将来どういった仕事をしたいかということをじっくりと考えて、単に流行に流されるのではない学部選びをしていくようにしましょう。